飛行機に乗って10時間くらい経ってるのに、8時間は戻ってるという構造を、頭では理解してるものの体がどう感じるのかわからぬまま、その日を迎えた。
地球は丸かった。
到着したのはシャルル・ド・ゴール空港。
建物の構造は似たり寄ったりだけど、そこには日本語がない。
意味はわからないけど漢字があるだけでなんとなくヒントになるから、割と中国語がありがたい。
パリは東京みたいだった。
地下鉄でどこにでも行ける感じ。
山の手線みたいに街のまわりに高速道路が走ってて、中央線みたいにセーヌ川が真ん中を横断してる。
(距離感は無視すると、だいたい宿は神楽坂のあたり?位置だけの話。)
着いた日は、寝るだけだった。
次の朝、まずはモンマルトルまで歩いて向かう。
小石川植物園あたりにあるそこは丘になっていて、パリを一望できる。
そして、そこにはかつて印象派の画家たちが集っていた場所だったらしい。言ってることはわかるけど、非日常すぎて言ってることがわからない。
こじんまりとしたモンマルトル博物館でゆっくり過ごしたり、景色とか音楽を楽しんだり。
お昼はちかくのカフェ&レストランのようなところで。牛は見た目美味しそうだったけど、味は塩っ辛くて舌が痺れた。
そのあと東京ドームのあたりにある、ルーブル美術館へと向かう。
地下鉄はちっさな犯罪が多いって聞いていたからこわかったけど、歩き疲れた僕らはおそるおそる地下鉄を使う。
想像してみてください、異国でビビるふたり。かわいいでしょ?
ルーブル美術館は広いって聞いていたけど、やっぱり広かった。
観たい作品はオルセー美術館やオランジュリー美術館に多かったのでファーっと歩いて有名なものだけ…って思ってたけど、有名なものが多くてファーって歩けない。
モナリザはいったいどんな気持ちなんだろう。
そんなことを考えながら、二日目は終了。
次の日は朝早くから、日本人たちと午前中にバスで行くジヴェルニーツアーに参加。バスで2時間くらい西に行くから甲府?
あのモネさんが住んでいた家があり、有名な睡蓮の絵を描いた池があります。
家をみて池をみて、またパリに昼に帰ってきて。
そして、オランジュリー美術館で睡蓮の絵の本物を観て。なんちゅう贅沢。
夕方からはセーヌ川をはさんたところにあるオルセー美術館でゆっくりと夜まで。
モンマルトル博物館があったところはもともとアトリエだったわけですが、そこで描かれたルノワールのムーランギャレットの本物はオルセーにあって。
オルセー美術館のなかにはレストランやカフェもあるのですが、そこもまた綺麗で。何もない部屋が、訳のわからぬ壮麗さ。
これで三日目も終わり。
次の日の朝からTGVに乗って、リヨンへ一泊二日。
のどかな緑広がる景色を窓から眺めて二時間ほどで到着。
着いた途端、「あ、」って思った。
パリとは空気が違くて、なんだか落ち着く。
都会だけど田舎、田舎だけど都会。
もしもフランスに住むなら、リヨンがいいなって。たぶんリヨンは京都だ、東京から新幹線で2時間だし。
かわいらしいホテルに荷物を預けた後、とりあえずリヨンで一番行ってみたかったボキューズ市場へ。
夫婦ふたりだけだったとしてもたぶん市場に行ってたんだけど、ここで日本人のおばさまと出会う。旅でなにかしらだれかとご縁があったらな思っていたけど、まさかほんとにそういうことがあるとは。
市場に着いてバイバイして、ふたりでお店を見て回る。牡蠣、チーズ、肉、魚、ワイン。たまに獣。
この市場で食べたマグロのステーキが、旅で一番美味かったかもしれない。中はレア。
そして、夜から夕方にかけては旧市街の街並みが残る地区に。
ブションと呼ばれるお店が多くある地区でもあるので、そのまま晩ごはん。リヨンでのごはんは、今回の旅の楽しみのひとつでした。
おなかが満たされたあと、ホテルまでは歩いて帰った。そういうときに「またとっしの歩きたい欲や…」って言いながらも歩いてくれる人に選んでもらえてよかった。
夜中、ひとりで寝つけずいるとパリSGとニースの試合がテレビで放送してた。リヨンのホテルでリーグアンの試合を観るという、それもまた想い出になった。
翌朝、四日目?となるこの日お昼過ぎまではリヨンにいたのだけれど、川沿いに行くと予想外にマルシェが催されてて、パリのそれよりも食べものが多くてよかった。
お昼ごはんは軽くと思っていたけど、注文したいものがその日は無しで、訳の分からぬ大きさのハンバーガーを一人一個ずつ食べる。
TGVに乗って、またパリに戻る。
メルシーというお洒落なお店に行ったり、その周辺であるマレ地区を歩いたり。
位置としては、御茶ノ水。京都から戻ってきて、一度神楽坂の宿に荷物おろして、御茶ノ水に行くという感じ。
そのまま歩いて、ちょっと疲れたりもして、歩いて歩いて、いつのまにかノートルダム大聖堂。ちょうど21時で鐘が鳴っていた、「ノートルダムの鐘…、どっかで聞いたフレーズ…」でした。
そして、翌日五日目?
ヴァンヴという地区で蚤の市があって、それに行ってきました。東京では目黒か?
蚤の市ってよく聞くけど、蚤の市行くのは初めてだった。
おじいちゃんが売ってるセーターを買った、勢いで。今はクリーニングに出してる。
そのあと、ボンマルシェという百貨店でお買いもの。
リュクサンブールの公園をフランスを知っている友だちたちは勧めてくれていたので、そこにも行ってみた。(雨模様なのと時間があんまりないのとですこししかのんびりできなかったけど、これはのんびりできたら居心地よい園だなって思った。)
なんでリュクサンブールにちょっとしか居られなかったかというと、最後の夜にセーヌ川クルーズがあったから。博物館のパスポートといっしょに、ちょっと割引で買ってありまして。
発着はエッフェル塔の麓から。
ルートとしては、中央線で新宿から水道橋までを往復する感じ。
遠くからでも見えていたから、それでエッフェル欲は満足していたけど、やっぱり近くで見ると迫力あるね。世の中そういうことが、いっぱいあるんやろな。
クルーズが終わってから、最後のディナーでまた量が多すぎて、フランス人の胃はどうなっているんですか。
おなかいっぱいで宿に帰って、荷造りしてから眠って、朝起きて、シャルル・ド・ゴール空港まで送ってもらって、また10時間くらい飛行機乗って、18時間後の日本に帰ってきました。
日本着いたら、これ。
Welcome?
(スーツケースがひとつ、オランダ経由で旅して帰ってきました。)
僕たちふたりがとっても楽しめたから、それでオッケーなのだ。